きざしとまなざし賞​​​​​​
作品名、みち ミチ 道
作家氏名、齋藤 芳一

1.どんなときにつくられた/行われた表現ですか?
毎日、創作活動の時間(ほぼ一日中)一点に集中して描いています。

2.この表現が持つ魅力や可能性、気づいたことを教えてください  
言葉にできない気持ちを絵に託しています。何かに向かう道を沢山の色を重ねて濃淡をつけ表現されています。

3.この表現にまつわる具体的なエピソードがあれば教えてください  
長い間塗り絵だけをしていたある時、まっさらな紙を渡すと自由に、のびのびと明るい色で描き始めました。

審査員のまなざしコメント、
塗り絵からはじまって、まっさらな紙に出会ってからというもの、毎日真剣に、この絵を描いているという斎藤さん。一見虹のような、でもリズムのある小ぶりのストロークを重ねて描かれる世界は、とてもやさしい印象です。この先にどんな世界があるのだろう、どんな創作がはじまっていくのだろう、というわくわく感もあります。ゆっくりでいいので、あたらしい画材や支持体にも出会いながら、描きつづけてみてほしいなと感じました。瀬尾夏美

はじてこの作品と出会った時、終わりがないような色彩の伸びやかさにすっかり引き込まれました。画面いっぱいに繊細な濃淡で展開される筆致は、まるで芳一さんの色彩の空間の中に立っているような感覚になります。コメントを読むと、塗り絵をされていたところからこの絵に繋がったとのこと。真っ白い画面の上に芳一さんの世界が広がった瞬間を想像しました。大きな部屋いっぱいに広がる芳一さんの世界を見てみたいと思います。今後の制作も、楽しみです。永岡大輔

大きい模造紙に描かれた色鉛筆による色の帯の色彩感覚に惹かれました。毎日集中して一点描いているとのことですが、紙の隅々まで丁寧に描かれており、その色の流れが紙の外側まで広がっていくように感じます。そこには齋藤さんの描くという行為が、一枚の紙に限定されることなく毎日毎日繰り返されていることがうかがえるようです。一枚一枚の連続は、齋藤さんの日々の行為と感情とを反映する存在証明ともいえるでしょう。また色の帯の流れや広がりをもつイメージは、周りで見守る人びとだけでなく、観る人に「感情」をひきおこすとても絵画らしい作品です。岡部信幸

〈塗りつぶす〉という単純な行為の中に表現の機運を感じ取り、新たな画材を提供したという推薦者のコメントに、表現に寄り添う「まなざし」を感じました。画面の大きさも、作者の丁寧さとそれを持続させる集中力をさらに際立たせているように思います。ぼーっと眺めるようにいつまでも見ていたい作品です。halken LLP アイハラ

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