​​​​​​​03-1表現する人と寄り添う人
粕谷 聡太(かすやそうた)さんと宮澤恵子(みやざわけいこ)さん
関係性は特別支援学校の生徒と給食の先生
テーマは、表現が育まれるもう一つの空間、ありのままを受け入れる時間

天井から粕谷さん、宮澤さんの全身肖像写真 (800×1200mm)がつられている。
裏には、粕谷さんが学校の昼休みに絵を描いている写真。

展示作品は、タイトル「妖怪大集合」。名刺サイズのカードにオリジナルの妖怪の絵を描いたもの64枚を模造紙に貼っている。
作家コメント:干支の動物と一反木綿やぬりかべなどの妖怪を組み合わせた自分だけのオリジナル妖怪を考えました。

03-2背景レポート
聡太さんが1年生の頃、妖怪に関心があることを知った宮澤さんは、オバケの絵を描いて席の近くに貼ったところ、聡太さんが給食の時間を落ち着いて過ごせるようになったと言います。学年を上がるごとに、聡太さん自身で妖怪を描くようになり、4年生では、オリジナル妖怪を考えるほどに。ランチルームでは、貼り出された数々の作品をとおして、生徒たちのありのままを受け入れる時間がながれているようです。

写真は、粕谷さんと宮澤さんがランチルームに展示した絵を見ている様子や、昼休みに絵を描いてる様子、給食のメニューと妖怪の絵を合わせて描いたものを掲示している様子。

03-3寄り添う人のことば
審査員コメント/ハルケン三浦
モンスターたちの表情とタイトルの面白さはもちろんのことですが、その表現に寄りそった痕跡のような作品にも思えます。大判用紙に貼り付けらたカードの裏側には、作品が痛まずに剥がせるような工夫がありました。聡太さんにとって大切なものだと十分理解したうえでのことでしょう。日々生み出される表現に対して、丁寧に扱うこの姿勢にも、大きな愛情とリスペクトがあるように感じました。(審査員:haklen LLP三浦)

休憩時間にチラチラ教室を覗きながら、聡太さんが手持ち無沙汰かなー?とみえる時に(担任の先生に了承を得てから)「聡太さん、絵描きますか?何枚描きますか?」と聞いて、聡太さんが決めている枚数分の白い紙を渡し、絵を描いてくれるのをそばで見ていました。描き終えると私が「ランチルーム2に飾るねー」というようなやりとりがつづき、そのうちに聡太さんから「ランチルーム2に飾ります!」と言われるようになりました。(宮澤恵子)

ネーミングや並び順にもこだわりがあり「これは漢字、これはカタカナ、これはひらかな、この並び順、」と。私が一枚の紙にまとめる時は、聡太さんの思う作品になるように努めました。(宮澤恵子)

ただただ私が聡太さんの描く絵を見たいという好奇心だけで、すべてが始まっています。私が可愛いと思う絵をみんなに見せて回って、自分が描いたように自慢してしまいます。それだけでなく、聡太さんが、飾られた自分の絵を見て喜んでくれている姿が、とても嬉しいです。(宮澤恵子)

03-4寄り添う人の川柳
ようかいに 導かれ 牛乳全量摂取(宮澤恵子)
がんばった時は ようかいの世界へ レッツゴー(宮澤恵子)

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