02-1表現する人と寄り添う人
小林遼平(こばやしりょうへい)さんと岡崎もとい(おかざきもとい)さん
関係性は福祉事業所の利用者と職員
テーマは、ただそこにある日常から生み出される表現と関係性 

小林さん、岡崎さんの全身肖像写真 (800×1200mm)が天井からつられている。
裏には、小林さんが事業所の作業中に掃き掃除をしている写真。

展示作品は、タイトル「旬の食材シリーズ」。手すきのハガキに、さまざまな果物や野菜が描かれている。10点程度。
作家コメント:素朴でシンプルな一つ一つが見るたびに味わい深く思わず食べたくなるような作品です。

02-2背景レポート
小林さんは、事業所で紙漉きなどの仕事をしています。小林さんが描く絵日記が魅力的だと話す、岡崎さん。丁寧に情景をとらえた仕事場やリビングに、いきいきと過ごす遼平さんの姿が描かれています。小林さんの絵をリスペクトする岡崎さんは、今後、絵を描くことを事業所の仕事にも繋げていきたいと、可能性を広げています。

写真は、事業所で紙漉きの作業をしている様子、掃き掃除をする様子、絵を描く様子。

02-3寄り添う人のことば
審査員コメント/岡部信幸
トウモロコシやナス、柿、ぶどう、魚などの食べ物が一つずつ、背景を描かず、紙の中央に色鉛筆で丁寧に描かれています。半分に切られたり皮が向かれた果物には、食べ物をじっくりと見つめ、会話をしながら、食べたい気持ちをぐっとこらえて描く場面が想像できます。図鑑のようでありながらも、食べ物のみずみずしさや味までも伝わってきます。小林さんの表現の幅がますます広がっていく様子が伺えます。(審査員:岡部 信幸) 

遼平さんの絵日記には、本人の中にある「変わらないもの」やそれでも変化していく日常の小さな出来事の数々が散りばめられていると感じます。ふと「変わらない日常はつまらないものではなく尊いもの」と感じた瞬間がありました。私たちに教えるでもなく、諭すでもなく、ただ、そうである、と。(岡崎もとい)

ただのコップを遼平さんならどう受け取り、どう描くのだろうか?どう見えているのだろうか?と考えるようになりました。私自身、完成するまではわくわくし、実際に完成した絵を見て、さらに圧倒される日々なんです。(岡崎もとい)

02-4寄り添う人の川柳
ただみえる ひろがるけしきを えがきつつ(岡崎もとい)
あしたには またちがうぼくが すすんでいる(岡崎もとい)
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